“感謝”と“愛”を拡げるスペシャル記念月間「サンクス・ラブ・マンス 2025」。発案者に聞いた、イベント立上げに込めた想い
- 2025/08/21 UP
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ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、2022年に「サンクス・ラブ・ウィーク」をスタートし、翌年からは「サンクス・ラブ・マンス」として、感謝の気持ちを伝える新しい月間イベントを開催してきました。4年目を迎える今年は、イオンモールや大阪・関西万博でのイベント開催などを実施し、パーク内にとどまらず、社会を巻き込んだ大きなイベントへと進化しつつあります。

今回はユニバーサル・スタジオ・ジャパンがなぜ、この「サンクス・ラブ・マンス」を開催することになったのかをご紹介します。実はこの取組みは、感謝の気持ちを届けるイベントであるだけでなく、ライフスタイルや家族のかたちの多様化による「母の日」や「父の日」の価値観の変化といった、現代社会ならではの課題にも目を向けたものです。
この「サンクス・ラブ・マンス」を企画したマーケティング本部・浅井行代シニア・バイス・プレジデントに、立上げの背景やイベントに込めた思いについて、USJ広報が社内取材を行いました。

──さっそくですが、「サンクス・ラブ・マンス」はどのような背景で生まれたのでしょうか?
浅井:2022年当時、SNSチームのメンバーから「母の日」にちなんだSNS施策の提案がありました。母の日には感謝の気持ちを伝える投稿がSNS上で盛り上がるため、それをきっかけに話題化を狙うという企画でした。
ただ、私の中でUSJが「母の日」を祝うことが本当に相応しいのか疑問が沸き、そこで別のやり方を考えてみることにしたのです。
──「母の日」に対してどのような疑問があったのでしょうか?
浅井:今の時代、お母さんやお父さんがいない家庭も決して珍しくありません。それでも、毎年この時期になると、街中ではどうしても「母の日」や「父の日」に触れることになります。今年のテレビCMに登場したペパーミント パティのように、そうした場面で悲しい思いをする子どもがいるかもしれない。

浅井:私は「子どもの幸せにつながる仕事がしたい!」という思いでUSJに入社していて、だからこそ、子どもたちに笑顔を届けるテーマパークとして、そんな悲しみを生んでしまうようなことは、絶対にあってはならないと思ったのです。
それで思わず、母の日の企画に対して「ちょっと待った!」という言葉が口をついて出てしまいました。
──母の日や父の日への問題意識は、普段から感じていたのでしょうか?
浅井:そうですね。私が小学生だった頃、学校では父親参観という行事がありました。今では日曜参観と呼ばれているのでしょうか。私の両親は離婚していたので、配られたお知らせを母に渡すたびに、なんとも言えない悲しい気持ちになったのを覚えています。
この話をしたとき、「私も同じような経験があります」と言ってもらえることもあって、それで、これはきっと多くの人が感じてきたことなのだと思うようになりました。「母の日」や「父の日」が、お母さんお父さんのいない子にとっては、つらい日になってしまうこともある。その発見が、今の「サンクス・ラブ・マンス」の原点です。
──これからの「サンクス・ラブ・マンス」に期待していることはありますか?
浅井:やっぱり、「サンクス・ラブ・マンス」はもっと外に出て、社会全体の取組みになっていってほしいなと思っています。もしかしたら、その頃にはもうUSJのものだとはあまり意識されていないかもしれない。でも、それくらいのほうがいいんじゃないかと思うのです。
というのも、こういう社会に向けた取組みが一企業のブランディングにとどまっていたら広がりませんし、本当に社会に影響を与えて、悲しい思いをする子どもたちを減らすためには、いずれはUSJの手を離れていく必要があります。だからこそ、年々賛同してくださるパートナー企業さんが増えてきているのは、すごくいい流れだなと感じています。
合同会社ユー・エス・ジェイは、パーク内外で取り組む「LOVE HAS NO LIMIT」をテーマとしたCSR活動を通じて、多様なバックグラウンドや考え方を持つ人々がお互いに認め合い、尊重し合って働けるインクルーシブな職場づくり、そして誰もが安心して自分らしく楽しめるパークづくりをこれからもめざしてまいります。